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天然酵母(フルーツ酵母)のある生活

-食べ物-  
19.01.28
近年、発酵ブーム。いつからこんなにブームになったのでしょう?
発酵食品といっても色々ありますが、今回は"天然酵母"について少しばかり。




パンの世界ではイースト菌が主流なのは変わりませんが、天然酵母パンの取り扱いが本当に増えました。
そんな私も、生のフルーツから自家製酵母を作って18年になります。
今は「美味しい・安心・安全・こだわり」など抜群にイメージが良いですが、当時天然酵母パンといえば「固い・酸っぱい・食べにくい」などのイメージが強かったので、今とはかなり違っていて時代の変化を感じます。

これまでに、たくさんの方々から天然酵母の疑問や質問をいただきました。

「私も天然酵母作っていますが上手く作れません」
「フルーツ酵母ってどうやって作るのですか?」
「天然酵母を作りましたが、思うようにパンが膨らみません」

「手間ひまかけて酵母もパンも作りましたが、継続して作り続けることができません」

そうです。簡単ではありません!

子供を育てるように。

また、夫婦関係や人間関係を深めていくように。
じっくり向き合って、時間をかけていかなければ完成しないのです。
そして、心穏やかに育てていかなければ・・・。
人と関わるのと変わりませんね。




フルーツ自体が持っている菌が大元ですが、作業環境や気温・湿度・また自分に備わっている潜在菌などすべてが融合して酵母が出来上がるのです。
私も酵母を長年作り続けた結果、工房にも私自身にも道具にもすっかり強い酵母菌が棲み着いてくれたので、今では神経質になりすぎるほどの消毒作業は必要なくなりました。
酵母菌と関係が築けたのです。


さて、以前にはこんなこともありました。

・完成したフルーツ酵母にどうしても雑味が残る。

パンにしても食べにくい香りが残ってしまい、どうしたものか?
・短期間に3回も作ったのに毎回同じ結果。
さすがに毎回できないと焦ります。


なんでなんで?


工房のなかを見渡すと、そこには少し発酵の進んでいる塩麹がおいてあったのです。
まろやかな香りを通り越した塩麹。
その塩麹が放つ菌が、空気中からフルーツ酵母菌に感染していたのです。
塩麹菌が強かったのです。(同様にブルーチーズや納豆菌も強いです)


酵母は繊細。

毎回毎回作るたびに、味わいも力強さも香りもすべてが変わる天然酵母。
大切に育てて出来上がると実に愛着が沸き上がります。

最近の発酵ブームは、育て上げる過程や身体に優しいなど幸せな気持ちになれるからなのでしょうか・・・
毎日少しずつでも、発酵食品を取り入れたいですね!

 

- おしえてくれたひと -

鎌ヶ谷のフルーツ酵母パン・ベーグル
チーサ




パンの製造販売(予約)やカフェ・レストランへ卸業務、イベント・マルシェに出店やパン教室・親子パン教室を開催。
手作りの天然フルーツ酵母で作るもっちりとした酵母パンが特徴。

チーサさんが講師をしてくださる親子パン教室は、3月21日(祝)に開催予定!


☆詳しくはこちら☆
 
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